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イヴァン×ジャン【バカで】の続き、ジャンさん視点です。
かなり長めです・・・
少しずつタイトルを増やしていく予定です。
最後とかめちゃくちゃ長かったら笑ってやって下さいorz
一応二人のお互いの印象というか、いつも思ってることを繋げていこうかなと^^
ではでは、【続きを読む】からどうぞ^^
【side:GIAN】
先ほど、常時寝不足の幹部筆頭様のお許しを得た俺は只今絶賛移動中。
目的地はイヴァンの――俺達の部屋だ。
「ん~…ファァゥむ…俺ちょい寝るわ。いつも通りの運転で頼む」
「わかりやした」
げんこつが丸ごと入りそうな欠伸を吐き出して、フカフカ…でもないまぁまぁのシートにごろんと横になった。
…いや前言撤回。
気持ち~わ。
眠気がピークの時は何でも気持ちイイもんだ。
監獄の3K(固い・臭い・カビだらけ)ベッドでさえ天国に思えたもんな。
俺はクッションを枕に、数分と持たずに深い眠りについた。
今乗っている、黒の至って普通のフォードはもちろん組の物で、運転手はベルナルドの部下から、あら不思議!イヴァンの部下へと早変わり。
っと言うのは冗談で、元から移動の際はイヴァンの部下が護衛・護送することになっている。
ていうか、イヴァンが無理やりそう決めた。
その時のベルナルド達やカヴァッリの爺様は苦笑い。
ジュリオなんて、俺のが適任だってイヴァンと睨み合い始めてたもんなぁ…
俺の決断で一応収まったんだけど。
あの馬鹿は…なんつーか他人に対して、でっけー分厚い壁を作るくせにこっ恥ずかしいことを素でやってのける。
ある意味天然のタラシなのか…?
今回の護衛の件だって、必死に言うイヴァンを見て何か恥ずかしくて、俺も顔作るのに必死だったんだぜ。
(笑いがこみ上げてきたり、顔が熱くなってきたり…)
一応皆には俺達の関係は秘密にしてある。
けど、たぶんバレてんだろうな…あいつ妙にわかりやすいんだ。
馬鹿だからよく自分で墓穴掘ってるし。
でも…自惚れじゃねぇと思うんだけど
あいつがあんなに必死になんのは…
俺だからなんだろうな…
とか。
恥ずいから絶対イヴァンには言ってやらねーの!
眠りに入る前にずっとイヴァンのことを考えていたからか、夢にあいつが出てきて
すっげー俺を睨んでた。
何でそんな顔すんだよ…
何でそんな目で見てんだよ!
伸ばしても手が届かない距離で―――
走っても走っても、その差は縮まろうとしない。
何で!?
何だよこれ!?
必死に追いかける俺を表情を崩さずに睨みつけるイヴァン。
まるで、初めて顔を合わせた時のような、周りは皆敵だって言ってる目に心臓が焦りで高鳴った。
あいつとこうなってから、決して俺に向けられることのなかった表情に泣きそうになる。
喉が詰まる。
心臓が…痛い。
何か言えよ!
馬鹿イヴァン!!
俺の必死の叫びには答えないまま、イヴァンは歪んだ俺の顔を見てふと表情を和らげると、ぐらりとその場に崩れ落ちていった。
イヴァン!!?
「ッ!?」
手を伸ばした所で意識が戻る。
大きく見開いた目に映る、震える自分の指。
「…ァ……」
恐る恐る指を頬へとあてると、暖かな涙の筋が指を濡らした。
嫌な夢見た…
疲れすぎてんのかな。
もう一度ゆっくり目を閉じて、深い深呼吸をした。
――忘れよう
その時、キィと車が停止する音と部下の声が耳に入ってきた。
「カポ・ジャンカルロ、起きて下さい。着きました」
「ん…そ、そうか…サンキュ」
慌ててジャケットの袖口で涙を拭い、笑顔を作った。
たぶんバレてない。バレない自信がある。
イヴァン相手だとちょっとヤバかったかも…
イヴァンは警戒心むき出しの生活のおかげ(せい?)で他人の感情の僅かな乱れや空気を鋭く見抜く。
でも、幸いあいつは今お仕事中だ。
夜に会えるとして、そん時までには気持ちは落ち着いてるだろ。
さっき見たイヴァンの顔が頭の隅にちらついたが、無理やりかき消して平常心を装った。
車を降りて、方々に声をかけながら部屋への階段を上がると懐かしい(は、言い過ぎ?)質素な扉が見えた。
無意識に頬がゆるむ。
いかんいかん。
そんなにうかれてんのかな…くそぅ…
だって久々なんだぜ!?
ノブを回すと、イヴァンの匂いが鼻を掠めた。
「…珍しいな。そうかぁ…頑張ってんだ」
視界に広がる、これまた幹部が住んでるとは思えない質素な部屋には、イヴァンの脱ぎ捨てられた衣服やら、ゴミ、コーラの空き瓶などが転がっていた。
この散らかり様、実はかなり珍しい光景なのだ。
イヴァンの外見や言動などから、ガサツで汚いイメージを持たれることが多いが、一人暮らしが長かったせいか、部屋の整理は結構きっちりしてる。
意外だろ?
まぁイヴァンの場合、整理整頓というよりは、必要最低限の物しか置かないから、散らかりようがないとも言うけど。
こーゆーことも、あいつと深く関わるようになってから知ったこと。
イヴァンのことを知る度に、イメージと違った一面を見せるから驚きと感心と楽しくてしょうがない。
字が流れるように綺麗なのもその内の一つ。
今回の部屋の様子から、ほとんど部屋に帰ってないか、着替える為だけに帰ってきたか…
イヴァンの忙しさが伺える。
「この様子じゃ、寝てないんだろうな…あの馬鹿は」
床に転がるゴミを拾いながら、今別のお掃除中のイヴァンを思い浮かべた。
報告で本部に向かうだろうから、その時にベルナルドに部屋に帰るよう言ってもらおうか…
でもあいつが素直にベルナルドの言うことを聞くだろうか。
いやぁ~…どうかな…
「俺が居ること言ったら帰るかな…いや、でもそれじゃイヴァンとの事バレちまう。
いや、バレてんだろうけど…っていやいやそーゆーことじゃねぇ」
なんて一人つっこみ。
―――むなしい
(くそっ!こーゆー時はイヴァンの奴が居るもんだろ!なんで居ねぇんだバカ!)
勝手な八つ当たりをぶつけるべく、扉の外で待機しているいかつい男に向かって、
「なぁ。イヴァンって今掃除中なんだよな?っつーことは本部に寄るよな?
そん時捕まえて、ここに引きずってきてくれ」
ニコォ~と満面の笑みでまくし立てる。
「え?あの…はい。わかり…ました」
男は俺の勢いにたじろぎ、しどろもどろになりながら訛りのある英語を返した。
うんうん。
「頼んだぜ!」
バタン。
よしこれでOK。
一人頷き、ジャケットを脱いでシャツの袖をまくりあげた。
いっちょ掃除、洗濯片付けちまいますか!
「こんなもんかな~」
パンッと洗ったシーツを干して、痛いくらいに真っ青な空を見上げた。
今日は雲一つない快晴。
あまりの気持ち良さに、ベッドメイキングまでしちまった。
帰る時はあんなに瞼が重かったのに、掃除を始めたら眠気はどこへやら。
腕時計を見るとおやつの時間に差し掛かるところ。
ワオ、もうこんな時間か。
そういや昼は眠気覚ましのコーヒーだけでまともな物を詰め込んでなかったな俺の胃袋ちゃん…
胃の部分を労るようにさすった。
あ…やべ。考えたら、本格的に腹減ってきた。
「ついでに夕飯の買い物もするか…」
何作ろうか。
昼飯は適当にテイクアウトして、その足でマーケットに向かうとしよう。
ジャケットを羽織り直しながら、思い付いたのは『オムライス』
一度作ってやった時に無言でかき込み、結局三杯もおかわりしてやがった。
その時のイヴァンの顔を思い出して、ぷっと笑う。
「ガキみたいな顔してたな…くくっ。
よし!卵の買い置きはあるから…あとは鶏肉と…」
久しぶりに覗く冷蔵庫の中身を確認しながら、足りない食材を頭にメモしていく。
「かんりょ~。いってきま」
いってらっしゃいと言うように、開けた窓から風が優しくカーテンを揺らした。
「あ。ここ。ここで下ろしてくれ」
再び黒のフォードに乗り込み――夕飯の買い物なのだろう、小さい子供を連れた若いママさんが行き交う通りから、少し離れた路地で車を止めさせた。
このマーケットは以前、イヴァンに連れられた場所である。
海外からの輸入食材など、珍しいものも揃っているので、見てるだけでもなかなか楽しい。
先ほど買ったホットドッグをコーラで流し込み、開けられたドアからレンガ道へと降りた。
「ついて行きます」
「んにゃ。さすがに明らかヤクザの兄ちゃんをゾロゾロ連れて、カタギさんの穏やかな買い物を邪魔しちゃ悪いっしょ。俺一人でだぁいじょーぶだって」
「そう…ですか」
ニッと笑ってみせるが、まだ心配そうだ。
う~ん…イヴァンのバカが移ったのか、こいつらまで最近やたらと俺に対して過保護になっている。
「じゃさ、何かあったらすぐに駆けつけれるよう車の外で待機しててくれよ。
俺、逃げるのは得意だしさ。頼りにしてんぜ」
ヒラヒラと手を振って、軽い足取りで道路を渡る。
今の俺の格好じゃ、職無しのプー太郎か、ただのチンピラにしか見えないのだろう。
誰も俺を気にしない。
ルキーノあたりから盛大な溜め息が聞こえてくるようだ。
…わりぃかよ。
あ~楽しい!
思いの外久々の買い物が楽しくて、つい関係ないもんまでじっくり見てしまった。
ガサガサと袋を鳴らし、さすがに待たせてるあいつらの心配ゲージがMAXに達したらやべぇ、と慌てて出てきた俺の目に飛び込んできた光景。
見覚えのある奴の―――
―――見たことのない姿。
ちょうど俺が居る通りの道路を挟んだ向かいの通り。
高級そうな品のあるホテルの扉を開ける―――ブルーグレイの髪。
その隣には上品な服に身を包み、優しく微笑む赤茶の髪の美しい女性。
――――「…イヴァン?」
⇒続く
女性=赤毛のアン的な^p^なので赤毛
バクシーが大好き
ジャンさんは天使
イヴァジャン/バクジャン
倍プッシュ
ヤンキー/狂犬/おっさん
には基本的にホイホイされます
パロディ大好きです
ちょくちょく挟みます
苦手な方注意です