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【傷跡】の続きです。
タイトルとかまったく考えてなかったからダサいorz

もっとエロが出てきます。

むぼ(ry 【続きを読む】からどうぞ^^




建物の外に出ると雪がチラついていた。

寒い。すっげー寒い。
ちなみに俺の今の格好はズボンにシャツです。なんて可哀想!
でも薬のせいで体中の血が沸騰したみたいに熱いから死ぬほどじゃない。
いや、死にそうです。なんたって今12月ですよ奥さん。

「…っち!駄目かよ…」

とうとう右足が俺の意志を放棄し始めた。
もうちょいもつと思ってたんだけど…。
俺はポケットから先ほどの破片を取り出し、一気に右足にぶっ刺した。

「ぐっ…ぅ…ッテエ」

若干涙が滲む。
歯を食いしばったから、口の中に鉄の味が広がった。
歯茎から血出たなこりゃ。
痛みのおかげで、俺の頭も右足もちょっとは喝が入ったみたい。
破片をその辺に放り投げ、引きずる足でタクシーを止めた。

「お…お客さん…ほんとに大丈夫ですかい?」

恐る恐る運転手がこちらを伺う。
停めた時、俺見てひいてたもんなぁ。
おっちゃんごめんちゃい。(何か今日は謝ってばっかね・・)

「へへ…なんとか…ね。だから…急いでくれっと…ありがたいんだけど」

願ってもないとばかりにエンジンが加速する。
俺は深くシートに沈み込んで溜め息を吐いた。

傷が痛いから。

寒いから。

体が熱いから。

(だから焦ってるんだって)

とか…。
うん、そうだ。それだよ何だよもー。

自分で言って自分で納得。
その意味の無い自問自答が終わる頃には、目的の路地に着いていた。
雪の積もる道に立つと、見覚えのある建物が並んで見えた。

(でも…だ)

俺の脳が、感覚が叫んでる。
あいつが居るって。

俺は走り出していた。
 

(早く…早く…早く!)
 

傷とかもうどうでもよくなって、ただ、体の熱と鼓動だけが強烈に渦巻いた。

「バクシー…」

ふとついて出た名前。
口に出すとよけいに心臓が高鳴った。

(ヤバい…もう…誤魔化せねぇよ…)

階段を駆け上がり、馴染んだ扉を開けた。

カーテン全開の窓から、うっすらと月明かりが部屋を照らしている。
ソファの上に、そいつの寝転がった大ざっぱなシルエットが見えた。
きっと俺が来ることなんて、最初っからわかってんだ…こいつは。
だから、身じろぎもしない。

「もう戻って来やがったのかよ…はぇ~なぁ。
そんなに飢えてたのかお前。ハハ」

「っなのやってねぇ…し」

その何もかもわかってたような口調がムカつく。

ムカつく。

ムカつく。

感情のままバタバタと近づいて、そいつの顔を覗き込んだ。
月の光に照らされて、普段はグレーの瞳が少し紫がかっていて――
揺らぎもしない、しなやかな獣のような目に――

――バクシーの目に吸い込まれるみたいに釘付けになった。

(何で…そんな目…してんの)

ピチャ

気付くとバクシーの薄い、形の良い唇に舌を這わせていた。

「んっ……ぅ」

どうしよう…すげー興奮する。
卑猥な水音をさせながら、自分の好きなようにバクシーの唇を味わう。
でもバクシーは、口を閉ざしたまま受け入れるそぶりさえ見せない。

「唇…つめてぇ。なぁ…口…開けてよ」

頬が熱い。
きっと赤い顔してんだろうな。
酷い顔してるんだ。

わかってる――

――もう止められないことも。
そんな俺の顔を見て、バクシーはニヤリと笑った。

「まだ足りねーってかぁ。この淫乱がよぉ。クック。
ヤクぶっこまれて狂いやがった」

「ちげぇ!っちがう…だって…俺…
俺は…」

あの時、女が気持ち悪かった。
女とする気になれなかったんだ。

なのに今、こんなに興奮してる。

「バクシー…っバク…シィ…ふっ…はぁ…」

噛みつくようにバクシーの唇へ口付けた。

もっと触れたい…

触れて欲しい。

感情が高ぶりすぎて、生理的な涙が頬を伝った。
それはバクシーの頬へと落ちて――


――俺の口へバクシーの舌を運んだ。




⇒続く
 







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