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次はジャンさん視点です。
それでは【続きを読む】からどうぞ^^
【side:Gian】
―――あれから俺は、一週間ほど記憶が曖昧だったみたいだ。
その間の事は何となく覚えてる。
「酷いこと…言ってたな俺」
あいつに対して投げ掛けた言葉の数々が思い出されては、自己嫌悪に襲われる。
あんなスラングの応酬…日常茶飯事だってのに。
何で今回だけがこんなに…。
ふと顔を上げると、猫を膝に乗せて窓の外を眺めるあいつが飛び込んできた。
縁に腰掛け、無感情な目で遠くを眺める。
猫を撫でるその手だけが酷く優しい。
「……」
バクシーはたまにこういう顔をする。
悲しい?寂しい…?違う。
何かもっと色んなモノをその目に映してそうな…俺にはわからない何か。
この目をしたあいつには、近寄りがたいというか、声をかけられない雰囲気っての?があっていつもなら見て見ぬふりするんだけど…
『お前ナニモンだ!来るな触るな!ファック!!』
『気色わりぃん…だよ!!キチガイ!』
「…っ!」
鮮明に思い出される、毒を唾を嫌悪を飛ばし続ける自分。
…最悪だ。
それでもバクシーは一切手を出して来なかった。
もし…もし記憶を無くしたのが俺じゃなくあいつだったら…?
ゾクッ
「…っバクシー!」
一瞬かけ上がって来た悪寒に、思わず叫んでいた。
くそっ!あの目で…汚物を見るような目が俺に向けられたら……怖い。
バクシーがスローモーションのようにゆっくりとした動作で振り向く。
撫でられてうとうとしていた子猫もピクンと耳を震わせ、真っ黒な真ん丸い目をこちらに向けてきた。
「……」
―――沈黙。
え…まさか…。
バクシーの目は変わらず無表情だ。
まさか…うそだろ…。
イヤだ。
「っバク…「なぁんでえ。犬ッコロ」
目を細めてフッと笑うバクシーに、気が付くと飛び付いていた。
「オイオイ。俺ァ今は猫の相手してんだろうがよ。待ても出来ねぇのかファッキンドッグ」
膝の上の子猫はビックリして、チリンと鈴を鳴らしてキッチンへと消えて行った。
「遊んで欲しけりゃボールでも持ってきなァ」
「…うるせぇバカ」
ギュウギュウと首にへばりついているからバクシーの顔は見えねぇが、声が…どこか優しい気がして、俺は馬鹿みてえに安心してしまった。
それからしばらくしがみつき続けた俺を、あいつは振りほどこうとしなかった。
END
バクシーが大好き
ジャンさんは天使
イヴァジャン/バクジャン
倍プッシュ
ヤンキー/狂犬/おっさん
には基本的にホイホイされます
パロディ大好きです
ちょくちょく挟みます
苦手な方注意です