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タイトル長っwwwwwww

やばいですねwww
ノープランで始めたので、タイトルが文章並みになりそうな予感がひしひしとw
そろそろ止めないといけませんかね^^;

そして更新遅くなってすみません;;
イヴァンの最後の台詞を聞いて、また泣きそうになりました・・・
イヴァジャン最高で愛しすぎる・・・orz

では、【続きを読む】からどうぞ^^





チチチ…という小鳥の囀りと共に目が覚めた。
いや…その前から目が覚めてた。
つか、正確に言うと寝てねーんだな…この俺が。


「…ありえねぇ」


うっすらと開けた目に飛び込んで来る朝日。
もう何度も確認したから、眩しさも感じない。
いつもなら、これくらいのタイミングでイヴァンの奴に蹴り起こされてたっけ。


「…」


横をチラリと見ると、もう一人が入るスペースのないシングルベッド。
上をチロリと見上げると、遠い昔に見飽きた天井。
壁紙とか、ライトとか、匂い…とか、何もかもが全くの別モノ。

―――当たり前だ。
ここはあいつの部屋じゃなく、俺の隠れ家なんだから―――


「…はぁ、起きるか」


無意識にこぼれる溜め息に、重い体を無理やり起こす。
朝から響く、うるせーあいつの罵声が遠く感じて、そんな感傷に浸りそうになる自分に苛立った。
慣れ親しんだはずの愛しい我が家に、違和感と寂しさを感じるなんて…
俺の憩いのスイートホームちゃん…


「あーやめだやめだ!シャワー浴びるか。起きろ俺!」


布団を勢い良く放り出して、パンツ一丁のままシャワールームに向かった。


昨日はあれからしばらく部屋でボーっとテレビを見て(内容なんてまったく頭に入って来なかったけど…)
夜、俺の情けない腹時計の知らせを受け、外で軽く、馴染みのB級ディナーを堪能した。
久々に顔を合わせる店の頑固親父とか、汚ねーが気のいい常連のおっさん達と、たわいのない話をしていたらそれなりに気は晴れた。
しばらく行ってなかったのに、俺のことを覚えていてくれたってことに感謝だね、ママよ。
俺がどんだけ大物になってもおっさん達のことは忘れねーぜ…臭さもな。
今度大量に消臭剤贈ってあげちゃおう。
口臭消すガム付きで。
なんて無駄な事を考えながら、シャワーから出てそのままスーツを身に付けていく。
適当に乾かした髪からはポタポタと滴が落ち、床に小さな水溜まりを作った。
イヴァンがこれを見たら「あー!床が濡れんじゃねぇかこのボケっ!」とか何とか、ファックシットと吠える犬になって噛み付いて来んだろな。
と考えて、ぷっと吹き出す。
ぶはっ今犬イヴァン想像しちまった。
ファックシット犬、イヴァンとバカの掛け合わせで生まれた新種です。
絶賛発売中。


「ちょい早いけど…お仕事しに行きますか…」


ピカピカの腕時計を見ると、いつもより一時間も早い。
何となく食欲が無くて、コーヒーだけで済ませた朝ご飯。
う~ん…ラッキードッグは絶不調につき発売中止。
販売再開は未定デス。


相変わらずルキーノに怒られそうな、だらしない着こなしでジャケットを羽織り、懐かしのスイートホームを後にした。
流しにポツンと一つだけ残されたコーヒーカップが、朝日に照らされキラリと光った。
 

 


「おはよーさん」

「おや。珍しいなジャンがこんな時間にご出勤とは。おはよう、よく眠れたかい?」

「あ…おはよう…ござい…ます」

「あらん。ダーリンたら酷いわ。俺だって早起きくらい出来るのよ。よ!ジュリオもおはようちゃん」


デイバンホテルの執務室の扉を開けると優しく微笑む二つの顔が出迎えてくれた。
俺もいつもよか早い出勤だったけど、他の幹部達はもっと早いのだ。
むしろこいつらこそぐっすり眠らせてやりてぇ…


「ルキーノ達は外回りか…。ん?何か問題でもあったのけ?」


出迎えてくれた時はいつも通りだった二人だが、すぐに厳しい顔へと変わった。
ベルナルドは受話器を片手に何かをメモしている。


「実は…昨日イヴァンのシマでGDの奴らが暴れてたんですが…」


電話に集中しているベルナルドの代わりに側で待機しているジュリオが答えた。


「あぁ。掃除してたってやつだろ?」


イヴァンの名前に一瞬胸んとこがチクリとしたが、顔には出さずにいつも通りを装った。
こいつらにこんな情けねぇ俺を知られたくねぇ…もちろんイヴァンにもだ。


「あ…知って…いたのですか…そいつらが、ライフルを持っていたらしくて…」

「ライフル?まだんな物騒なモン持ってたのか…あの時まだ隠してやがったな」

「あるいは…新しいルートで入手した…か」


ジュリオの言葉に、俺の眉間にシワが寄った。
あの時ってのは、黒歴史に残るエロ親父救出劇の事だ。
そん時に、使える大きな武器は全て押収したと思ってたのに…
さすが腐っても…間違えた、腐ってるギャング…しぶてぇ。
ウンザリするくらい。
だから奴らはモテねんだ。
いくら俺達CR-5が優秀だとしても、GDの奴らを根絶やしにするのは不可能だ。
構成員の桁が違い過ぎる。
だから、とりあえずシマであるデイバンの街は死守してぇ。
その為に俺達がやることは…


「今ベルナルドが…ルートを探っています…それで…俺が…呼ばれました…」

「情報が届き次第、鉄槌…いやお前の場合ナイフか、を食らわせに行くんだな」

「はい…ルートそのものを破壊して…来ます…必ず」

「頼んだぜ!」

「っはい」


労いを込めて、俺よか幾分か高い肩をポンと叩くとジュリオは嬉しそうに微笑んだ。
この笑顔で女100人は倒せるんじゃねぇかな。
と、そこで別の電話が鳴り響いた。
ベルナルドが一回目のコールで受話器を取る。
もう片方の手には保留中の電話。
いつ見てもこの光景はすげぇ。


「もしもし俺だ…っ!イヴァンか!どうした何かあったか」


ぼ~っとベルナルドに感心していた俺は、思わぬ電話相手に表情を強張らせる。
隣を見ると、ジュリオも鋭い目を向けていた。


「あぁ…それで?…そうか…大丈夫そうだな。また報告を頼む…ん?ジャン?あぁ、今ここに居るが…」


ベルナルドの口から出た自分の名前に、心臓が飛び出そうになった。
嫌ぁな予感はしてたんだけど…僅かにベルナルドから視線を外していたが、


「ジャン、イヴァンが代わって欲しいとさ」


この一言で捕まってしまった。
うぅ…気乗りしねぇ…


「お…おぅ」


思わずどもってしまった自分を叱咤しながら、いつもの何倍も重く感じる受話器を受け取った。


「もしもし?」

「…おぅ。…その…久しぶりだな」


気のせいではないくらい歯切れの悪いイヴァンに俺もつられる。(ってことにしとく。うん)


「…あ…あぁ」

「…今…よぉ…周りに誰も居ねぇかよ?」


イヴァンの言葉にチラリと目線を流せば、優秀な筆頭幹部様は離れたテーブルの電話を指差し、最強の狂犬はコーヒーを淹れに行く。
何て出来た奴らなんだっ!
この空気をさりげなく読むスキル!
イヴァンのバカに爪の垢をバケツ一杯飲ませてやりてぇ。


「ちょい待ち…」


俺は関心…いや感動しながらテーブルに移動して受話器を取った。


「いいぜ。何だよ…改まって」

「あ…や…昨日のことだけどよ。来てたんだってな…」


先ほどチクリと痛んだ胸が、今度はドクンと高鳴った。


「…あぁ…うん」

「その…悪かったな…仕事が長引いちまって。お前の方も急な仕事が入ったって?」


知ってる。その仕事が実際はどんなモンだったのかも。
俺の仕事の嘘も…こいつは知らない。気付いていない。


「あぁ。忘れてた仕事があってさ。で?それが何?」


気付かれたくないのに、気付かないイヴァンに苛立ち、無意識に語尾がきつくなった。


「いや…だからよぉ…その…」


俺の口調に、少し異変を感じたのかイヴァンが言い澱む。
元々他人の感情には獣並みに敏感な奴だ。
電話口ではどうとでもかわせると思ってたのに…

気付いてもらいたがってる?
俺が?


「何だよ。俺仕事があるんだけど?」


混乱してくる自分の感情に、早く電話を切ってしまいたい焦りが言葉として出た。


「だからっ…その…詫びとしてだなぁ!奢ってやるから明後日の夜空けとけよ!」


そう怒鳴ると一方的にガチャンと通信が切れた。
あのボケ。人の都合は無視かよ…

受話器を置いて壁のカレンダーを見る。
不幸中の幸いならぬ幸い中の不幸だな。
明後日は昼からの会談を終えたら、夕方からはフリーの日だ。
あいつがこのことを知ってるわけは無くて…神様ってのは何てイタズラ好きなんデスカ。ジーザス。


「だいたいあの野郎、今んな余裕あんのかよ…」


つい出たボヤキは豪華な絨毯へ吸い込まれて、俺の不安と焦りと苛立ちは倍増した。
行くか断るか…

 

俺は顔を上げ、ボスの椅子へと向かった。





⇒続く
自分に対しての悪意には敏感なイヴァンちゃん
 







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